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ソーシャルイノベーションサービス

動物の行動解析による事故防止システム開発&ネイチャーラーニングサービス

車載ADAS進化やV2X連携に合わせて、車両や歩行者などの軌道・行動予測モデリングの開発が活発化していますが、動物については、各国でその衝突事故が増えているにもかかわらず、まだその道路横断予測などの精度は不十分です。
一方で、生物の生態学分野においては、近年バイオロギングの実証や現場適用が進んでいて、これまで生態観測が難しかった鳥や海中生物などのトラッキング解析が活発になっています。当社では、この2つの分野の動きを結び付けるべく、動物事故が多いロケーションにおいて、各動物の生態観測や行動予測解析を行い、そのデータセットや予測モデリングを車両側にV2X通信するシステムを開発しています。これらのシステム等によって、動物と車両の衝突を減らしていく取り組みが増えてくればと願っております。
また、これらの動物や環境画像を活用して、未来を担う子供たちに自然学習を行うサービスも進めていく予定です。

シカ類やクマ類等の道路周辺&横断歩行および車両接近時の走り去るパターン解析システム全体像

  • 事故が多いシカやクマなどの道路周辺および道路横断中の歩行軌道パターンを抽出し、HDマップとマッチングさせ、車両側の制御アルゴリズムに組み込む形を図る。
  • そのパターン学習として、まずは世界中にあるシカ群やクマ群の画像を収集し、道路周辺&横断中の動きの解析を深層学習で行う。特に、車が接近する前と接近中の行動パターン変化(走る・逃げる方向性・速度の変化)を各特徴点抽出で解析する。また、フィールドワークとして、動物事故が多い各エリアにミリ波レーダと高感度&高画素カメラを設置し、実際の動きとの差異を分析する。
  • なお、動物は繁殖期や集団行動時、日没と夜間の時間帯別、ヘッドライトなどの光を浴びた時で行動パターンが著しく変わり、道路構造による車の発見の違いも想定されるため、それぞれの環境条件ごとに行動パターンをクラスタリングしていく。

動物の行動予測の因子解析

  • 道路横断中に車が接近、または道路周辺にいる時に車のヘッドライトを浴びた後などにどう動き出すか、の予測は「捕食者に気付く時の目や耳、鼻などの動き、そして気付いた後の走り出し方」などからも転移学習する。
  • 特に、通常歩行時の速度と、車などに気付いた時の速度の差を計測。最終的には、動物種別ごとに、道路条件ごと×季節・時間帯別要因ごとの通常歩行&(車等接近時の)走り去る軌道モデルを作成していく。

動物認知→類似道路HDマップ連携×当該動物歩行ルートとのマッチング制御

  • 車両側の制御アルゴリズムとしては、シカやクマ等の動物を検知→シカと認識判断→その道路・走行環境をセンシングし、予め実装していたその類似道路条件での歩行軌道パターンを抽出→「このままの速度や走行方向では遭遇リスクありと判断した場合、運転手に音声やHUDで警告し、速度や車線を制御する」プロセスを構築。

各専門領域の連携

  • このシステム構築に必要な技術・領域群としては、下記のとおり。
    1)動物の生態系(個体ごとに、時間帯・季節別にどういう行動をするのか、危険や光等を浴びた場合にどういう反応を示すのか等)
    2)センサネットワーク&ロギング、通信系(どこに・どのようなセンサ群を設置すれば、道路を横断する動物行動範囲や事故発生傾向があるエリアをカバーできるか、画像容量や通信範囲を踏まえて、センサ→解析サーバ→各車両へのデータ伝送にどの通信手段を利用するか等)
    3)画像解析系と機械学習モデル(動物の行動予測にどのような深層学習モデルを適用するか等)
    4)車載ADAS制御とHMI(どのタイミングで・どのデータ種別で・どのように動物接近情報を伝達すればよいか
      →HDマップマッチングやAR-HUD連携も考慮:マップ上でのARコンテンツ化)
  • なお、各移動体の行動予測は、四輪車が最も進んでおり、その次に歩行者や二輪車(自転車やバイク)であり、動物はその画像や車両遭遇データの蓄積度が十分ではなく、欧州OEMやティア1もまだ実用化できる予測精度を得られていない。

交通スポットでの遭遇リスク判断アルゴリズム例

  • 車両間の出会リスクを予測する判断アルゴリズムとしては、下記などが想定され、歩行中&走行中の動物や車両間の相対位置・距離・速度偏差などを計測するため、カメラだけでなく、ミリ波レーダの設置も視野に入れる。
  • そのデータ群に、当該スポットでの道路動態データも加え、その相関関係モデル式も作り上げていく。

各関係者や組織との連携

関連技術の専門家群と連携し、最適な生態観測方法や深層学習モデルを検討。今後のADAS制御やHMI機能に反映させるために、どのようなデータ構造やアプリ形式が有用かを睨んで、その要件を満たす方法論を抽出。

ネイチャーラーニングのコンセプト

動物(昆虫含む)の生態撮影データを活用し、子供たちへの授業プログラムも提供する。自然溢れる農園活動も行い、子供たちに植物・生物・自然を体感してもらう青空授業も開始。

電動アシスト自転車×Bluetooth×クラウド連携による
シェアリングサービス

交通分野においては、近年、自動運転車がクローズアップされていますが、EUでは、自動車視点からの自動運転化ではなく、自動車・鉄道・バス・バイク・自転車・歩行者の情報を連携して、最適な交通を実現する「統合システム構築」の観点が重視されています。また、2000年代にパリで始まり、その後、ロンドンや欧州各都市に拡がった「数万台クラスの自転車シェアリングサービス」も、現在は、統合交通システムに組み込む形で次ステップが検討されています。
このように、各モビリティや移動者間の情報連携を行い、さらに信号や道路等インフラの情報も統合する事で、「地域全体として最適な移動を促す」アプリケーション提供やシステム開発が活発になっています。しかし国内では、この”統合”観点が薄く、様々な社会的・組織的要因がネックとなって、殆ど進展が見られません。
そこで、当社において、欧米の事例を参考に、自転車より移動距離を拡げられる電動アシスト自転車に着目した新しいレンタルモデルを計画してきました。この計画に沿って、以下のシステムを基に、電動アシスト自転車のスマートレンタルサービスを展開しております。展開地域向けニュースリリースはこちら

シェアリングサービスの特徴

  • スマートフォンと連携

    電動アシスト自転車本体にBluetooth通信モジュールを搭載し、ユーザのスマホと連動した車両管理を実施。

  • 1年以上の長期レンタル可能!

    1時間や1日ごとに駐輪場へ返却する形態ではなく、1年以上の長期間レンタルで、自宅持ち帰り・自由に使える形態で提供(日常品化を重視)。

  • 低価格でレンタル提供

    1つの地域向けに100台前後で展開するため、その量産性を活かして、1年/1万円台の低価格でレンタル提供(世界最安値)。

  • 用途に合わせた管理機能を要するアプリ配信

    通信モジュールで計測するユーザの走行情報等に即したフィットネス管理、世界地図上での仮想旅行や交流、遠隔での車両保守管理機能などのアプリも配信。

  • 健康・交通系アプリとの統合システムも視野に!

    将来的には、他企業様が提供する健康・交通系アプリ等とも連携した統合システムを構築。

世界的にも、自転車や電動アシスト自転車レンタルの単体黒字例はなかったのですが(パリ等でも同様)、本ビジネスモデルの構築によって、事業化開始3年目での累積投資回収を実現できました(単年度黒字は2年目に達成)。

全体のシステム構成

事業展開

第一弾の展開地域(福岡市)では、2015年3月から2017年度に掛けて、大学生向けにサービス提供してきました。
2016年からの第二弾では、電動アシスト自転車と他車両の情報統合システムに重点を置いたサービス展開を進めており、本事業ノウハウの海外移転を図っております。