自動車以外の分野としては、当社はエネルギー機器や電子制御、通信、センサ系、これらシステムやデバイスの材料系の研究開発コンサルティングに強く、エネルギー系では、太陽光発電などの再生可能エネルギー、系統用蓄電池、エネルギーマネジメントシステム(HEMS、BEMS、CEMS)、非接触給電などに関与しています。
このエネルギー機器・制御分野では国内メーカーの競争力が低下しているのが現状で、また再生可能エネや蓄電池とも、海外市場より国内市場の方がかなり価格が高く、海外では再生可能エネと蓄電池を組み合わせたグリッドパリティ(商用電源より安くなる事)が拡がっているのに、国内ではコスト高の状態が続いています。
この競争力低下はさまざまな要因が重なったものです。技術観点からは、エネ機器単体での発電・蓄電効率などの機能重視から、それぞれの機器をエネルギー連携させ、「システム全体で高いエネルギー効率性やサイクル耐久性、トータルでのコスト削減を実現する」形に競争力が移ったが、その全体システム最適化に遅れた事が大きいです。
また、この変化過程で、電力送・配電・小売、電力卸取引所、系統オペレータ間を繋いだシステム構築を、電力インテグレータやアグリゲータ、蓄電池インストーラ(今後は充電オペレータも関与)が主導するようになり、単体エネ機器は熾烈なコスト入札に巻き込まれるようになりました。
エネルギー機器・制御連携プラットフォーム
今後は、下記のようなエネルギー機器連携プラットフォームに、家庭用や外部充電網が組み入れられ、その管轄配電網の系統安定化と充電ステーション内での最適な充放電タイミング等を導き出し、その全体運用を図るシステムに変わっていく。
市場や技術範囲が周辺と繋がるネットワーク経済になると、国内メーカーの開発・事業主導権が低下するケースが増えていて(他にデジタル家電、モバイル、半導体、バッテリー、産業ドローンなど)、この真因は、『破壊的イノベーション』本でも発信してきました。これらの課題を踏まえつつも、まだまだ日本が強い電子デバイスや機能材料、そして新規領域で、“システム観点から考えた部材機能開発”が強化されるよう、当社でも関連の研究開発コンサルティング活動を続けています。
マルチコプタータイプのドローンの各技術構成と競争機能
ドローンやeVTOLでは、各HWやSWの統合設計が極めて重要で、駆動制御アルゴリズムや駆動・給電時間、取得画像やその通信などの各機能バランス最適化が不可欠(∴各部品の相互作用検証がキーになる)。