自動運転の進化やスマホ&アプリの車内利用ニーズなどを受けて、車載HMIの刷新も徐々に進んでいます。自車位置から数百m先のセンサ認識情報はHUDや音声で、数百m~数㎞先の走行関連情報はカーナビやCID、音声で運転手に伝える形を軸にしつつ、ドライバーの視線や挙動、将来的には心理的な要素(疲労度やストレスなど)も計測して、最適なHMI伝達方法を適宜切り替えるシステム開発が進行しています。
また、クラウドと連携して、このHMI結果を学習し、運転手個人ごとの最適なHMIパターンを解析し、OTA等でパーソライズ対応していく開発も進んでいます。この動きは、音声系から実装されていますが、今後はHUDやCID等にも適用され、統合コックピットとして、安全分野と同じく自律制御型になる見込みです。
安全系とHMI系のECU間データ連携の例
車載HMI・コックピット部は、クラウドと連携して、安全系と同じく自律制御での学習→機能アップデートになっていく。
この過程で、CIDのサイズ拡大や光源・光学方式が変わりつつあり、HUDも機能進化が著しくなっています。
HUDの主流は、これまでと同じく、光源はLEDで光学は液晶のままですが、表示情報のAR化に合わせて、色再現性などに優れるDLPで光学調整するタイプの開発も活発化しています。
このAR化などにより、運転手の視線から10m先に70インチ以上で表示する製品化が増える見込みで、今後は照射距離は~20m、FOVも水平&垂直とも2倍以上に拡げ、自動運転センシング範囲の拡大に合わせた連携システム化も進んでいます。
欧州OEMの現行&今後のAR-HUDポジショニング
HMIの中では、音声系とHUDの進化が著しい。21年時のAR-HUDと比べて、20年代中頃には2~3倍の視距離とFOV(水平)に機能向上する見込み。この長距離化&表示サイズ広角化により、安全系センシング認知範囲の拡大と連動したHMI(運転者への伝達)が可能になる。
当社では、欧州・米国・中国等における、これら車載HMIのうち、クラウドや自動運転、運転手動態センシングとの連携システム、デバイスとして、カーナビやCID、HUD関連、ソフトウェア系としてARや車載OSなどの最新動向を分析し続け、各変化に合わせた開発や最適な方向性等の対策案を提供しております。